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外国人による家事代行サービスが増えている理由

   

最近、コンビニエンスストアや居酒屋などで働く外国人の姿をよく目にするようになりましたね。

日本で働く外国人は年々増加しており、外国人を受け入れる業種も増えています。
家事代行サービスもその例外ではありません。

2016年に、国家戦略特区制度により特例として家事代行サービスを担う外国人に対してビザを発給することが認められたため、神奈川県、大阪府、東京都において一定の条件を満たした業者に限り、外国人のスタッフを雇うことができるようになったのです。

そこで今回は、国をあげて家事代行サービスにおける外国人の雇用を進めている理由や背景についてまとめてみました。

国の狙いは女性の社会進出

国家戦略特区の外国人労働者受入れの目的は「女性の活躍促進や家事支援ニーズへの対応、中長期的な経済成長」とされています。

家庭に家事代行サービスが浸透し、家事負担を軽減することで女性がもっと働きやすい社会にしたい、との思惑です。

ただしそれを実現するためには家事代行スタッフがたくさん必要となり、日本人だけではとても足りないため外国人を受け入れることになりました。

背景には深刻な人手不足が

家事代行サービスは、従来の家政婦と違って時間単位で発注でき、価格も手頃なので特に高所得者でなくても気軽に利用できるのが魅力です。

さらに共働き世帯の増加が追い風となり、年々利用者が増えています。
しかしここで問題なのが「スタッフ不足」です。

昨今どの業界でも人手不足が深刻になっている中で、高度な家事のスキルを持つ家事代行スタッフを確保するのが困難であることは容易に想像できます。

また、家事代行スタッフの応募者は高齢だったりパート希望が多いのも特徴で、働ける時間が限られてしまい、ユーザーの希望通りにスタッフを派遣することも難しくなります。

求人広告や研修に経費がかかり、サービスの価格が高くなってしまうことにも。

家事代行サービスで外国人の受け入れが可能になったのは、こうした問題を解決するためでもあるのです。

関連情報:家事代行サービスの市場規模と今後の課題

外国人スタッフ受け入れには課題も

現在国家戦略特区制度の対象となっているのは東京都、神奈川県、大阪府の都市部で6つの事業者が認定を受けています。

確かにどの地域も家事代行サービスの需要が多そうです。ただ、外国人スタッフの受け入れには下記のような課題があります。

・就労環境、労働条件の整備
・滞在期間の問題
・客側の心理的な抵抗など

このうち労働条件については、違法な低賃金や長時間労働を防ぐために、国から事業者に様々な条件が課せられています。

社宅を用意すること、給与は日本人と同等の水準にすることなどです。
ただし最初は守られていても、だんだんルーズになっていくということがあるといけないので、厳格な運用が求められます。

また、滞在期間は国の規定で3年間と定めれています。

治安面の不安などから日本で働く外国人にはこうした規定があります。
しかし、せっかく経験を積んでスキルアップしたのにたった3年で帰国させられるのでは、スタッフにとっても業者にとっても残念なことですよね。

ずっと同じスタッフにお願いしたいというお客様もいることでしょう。今後の改善が待たれます。

最も難しい課題が、ユーザー側の意識改革かもしれません。

日本人は他人を自宅に入れるのを嫌がる傾向があります。同じ日本人同士でもそうなのですから、外国人となると一気にハードルが高くなってしまうでしょう。

他にも文化の違いや言葉の不安などから、利用を躊躇うことは充分考えられます。

家事代行普及のために、業者と国が一体となり、外国人スタッフによる家事代行のイメージアップを図っていくことが必要です。

受け入れの第一弾はほとんどがフィリピン人

現在、実際に家事代行スタッフとして働くために来日しているのはほとんどがフィリピン人です。なぜフィリピンなのか、これにもいくつか理由があります。

①国の政策として海外での出稼ぎ労働を推進している

フィリピンでは戦後からずっと海外での出稼ぎ労働を推進しており、既にアメリカやサウジアラビアなどを中心に看護や介護、家政婦として活躍する女性が多くいます。

もともと家事代行スタッフ養成のための専門学校がたくさんあり、外国語教育にも力をいれているので日本での受け入れにもすぐに対応できる土壌があるのです。

実際に受け入れが決まった後は、育成施設内に日本の家庭を再現したモデルルームを用意してスタッフの研修を行っているほどです。

②フィリピン人女性への信頼感

世界各国で働くフィリピン人女性が多いのは、国の出稼ぎ政策以外に、本人たちの真面目な仕事ぶりが評価されているということがあります。

家事のスキルだけでなく英語ができるため子供の英語の先生に、との需要もあります。

日本でももともと日本人男性と結婚しているフィリピン人女性が家事代行スタッフとして働くケースがあり、とても評判が良いのです。

こうした事情から、家事代行スタッフとしてフィリピン人が多く来日することになったのです。

まとめ

少子高齢化で労働力が足りない今、少しでも家事の負担を減らして社会参加できる女性が増えることは日本経済にとっても大きなメリットです。

その一助を担うための今回の政策ですが、この先上手く機能していくためにはいろいろな課題もあるようです。

遠いフィリピンから来てくれたスタッフ、家事を負担に感じているひと、その間を仲介してくれる家事代行業者、みんなが満足できるようなシステムになっていくといいですね。

※実際の情報とは異なる場合がありますので、詳細は各WEBサイトをご覧ください。

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