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訪問介護で制限がある家事サービスについて

      2024/08/19

ホームヘルパーが自宅に来てお世話をしてくれる訪問介護。本人だけでなくご家族にとっても、大変助かるサービスですね。
ただし介護保険が適用される公的制度なので、家事ならなんでもお願いできるという訳ではなく、原則としてご本人に関わる日常的な事柄以外は提供できないことになっています。

そうは言っても、イレギュラーな頼みごとをしたくなることは多々ありますし、そんな時に杓子定規にできませんと言われて、納得できないこともよくあります。

また、ホームヘルパーの立場から考えると、頼まれればやってあげたいのだけど決まりがあるためできなくて申し訳ないというジレンマに陥ったり、あのお宅はいろいろ頼まれてしまうから行きたくない、と思ってしまったりと精神的な負担が増えてしまうことも。

そんな時、利用者側がきちんと「これは頼めない」ということがわかっていれば、お互いに気持ちよくサービスを利用できるようになるでしょう。

そこで今回は、訪問介護ではお願いできない家事サービスの具体例と、なぜできないのかについて、詳しく解説いたします。

訪問介護のサービス範囲について

訪問介護のサービス範囲

訪問介護のサービスには「身体介護」と「生活援助」の2種類があります。「身体介護」は食事、入浴、排泄、あるいは歩行など、直接利用者の身体に触れてお手伝いするものです。

一方「生活援助」とは、掃除や洗濯、食事の支度、調理のための食材や日用品の買い出しなど、日常的な家事を支援するものです。病院の行き帰りの付き添いが加わる場合もあります。

どちらも利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、本人や家族とケアマネジャー、訪問介護事業所との話し合いで最適なケアプランを作成した上で実行されます。

身体介護は本人の身体的能力に関わることですからわかりやすいのですが、判断が難しいのが生活援助です。
基本的には本人の日常生活に関わる家事で、本人が自分でできない部分について援助するということになっています。

訪問介護サービスではできることと、できないことがあるので覚えておきましょう。

訪問介護でお願いできない家事とは

ヘルパーが援助できる日常的な家事として、主に食事の準備、買い物、掃除があります。
それぞれについて、できる範囲とできない範囲を一部具体的にみていきましょう。

買い物

買い物

日常生活において必要となる食材や生活必需品などは、ヘルパーが訪問介護に伺った際にいつも買い物に行くスーパーであれば買うことができます。

しかし同居家族が必要とするものや、日常生活に関係のないもの(贈答品や特別なご馳走など)はお願いできません。なくても困らない買い物はできないことになっています。

食事の準備

食事の準備

本人が食材の調達や調理、後片付けができない状況であれば、そのできない範囲を支援することになります。しかし、一緒に暮らしている家族の分まではお願いできません。

もし妻が支援を受けることになって、その夫が全く料理ができないとしても、ヘルパーが夫の分の食事も用意することはできないのです。

掃除・洗濯など

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こちらも介護される本人に関わることに限定されます。

本人が寝起きする部屋の掃除や、本人の衣類や寝具の洗濯はしますが、ついでに他の部屋を掃除してもらったり、家族全員の洗濯をお願いしたりはできません。

洗濯ものなどは一緒に洗濯機に入れてしまうこともあるでしょうが、それを干したりアイロンがけしたりはできないということです。

生活支援が介護認定者本人に限定される理由とは

ヘルパーができる生活支援の範囲については、開始前にきちんと説明があり、ご本人やご家族も同意の上でサービスが行われているはずです。
それでもつい、時間をオーバーしなければいいのではとか、このくらいついでにお願いしてもいいのでは?と思ってしまうことはあります。

特に老夫婦二人暮らしの家で、食事を一人分だけ用意するなんて合理的ではないですよね。ヘルパーさんだって、本当はそのくらいしてあげたいと思うでしょうし、「本人の分」として多めに作って帰るなんてこともあるでしょう。

ただそれを最初から期待するのは筋違いです。どんな事情があっても、ケアプランに含まれないサービスはしてはいけないことになっているのです。

理由としては主に以下の2点です。

1)介護保険は税金・国民から徴収した介護保険料と利用者の1割負担で成り立っているからです。

公的社会保障制度ですから、その使い途は介護認定者に関する事柄だけに限定されます。
税金や保険料が介護認定者以外の方のために使われることになってはいけないので、厳密にならざるをえないのです。

2)また、介護保険は国の公的制度ですから、ホームヘルパーも公務員に準じて公平かつ中立な立場でなければなりません。

原則ヘルパーの指名はできないので、いつも違う人が来るということもあります。
そうなると、あの人はやってくれたのに今日の人はやってくれなかった、、といった不平不満が生じたり、ヘルパー側も行く家によって態度を変えたりといったことが起きてしまいます。

そうならないために、決められたこと以外はやってはいけない、という決まりになっているのです。

訪問介護で制限がある家事サービスについてのまとめ

訪問介護サービスは便利な反面、制度の性質上融通が利かないことも多いものです。

そもそも生活支援については、家族が同居していたり近くに住んでいる場合は受けられないという自治体もあるので、本当にないと困る日常的なことしか頼めないと思っておいた方がいいですね。

もちろん、もしご家族が急に数日間留守にするとか、具合が悪くてお世話ができないという時は、ケアマネジャーに相談すれば対応してくれることもあります。

介護保険ではできない範囲の家事を家族もしてあげられない場合は、民間の家事代行や訪問介護サービスを利用することで、負担を減らすことができます。

いざという時のために、そうした業者の情報を集めておくと安心ですね。

また、訪問介護ではカバーできない料理や掃除などは家事代行サービスにお願いしてしまうのも一つの方法です。

家事代行サービスによっては、掃除や片付け、料理のほかにも、庭の手入れやクリーニングの受取りなど様々な作業に対応してもらえるケースもあります。

※実際の情報とは異なる場合がありますので、詳細は各WEBサイトをご覧ください。

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